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2011年2月20日 (日)

2月の星空 (3)

Uma 

皆さん、こんばんは。今日もプラネタリウム風にお届けいたします。
先日は、おおぐま座とこぐま座の話をしていたら止まらなくなってしまったのでした。すみません…。と言いつつ、今日もしつこくこの二つの星座のお話をしたいと思います。

まず、前回もお話した北斗七星についてもう少し(じゃないかも)。
名前からご想像いただけるかもしれませんが、「北斗七星」は中国で付けられた名前です。いて座に「南斗六星」という部分があり、こちらと対になる形でつけられました。日本に伝わったのは、推古天皇の時代(7世紀)です。
和名も非常に多いです。ひしゃく星、杓の柄、杓子(しゃくし)星、桝(ます)星、酒桝(さかます)、七つ星、四三(しそう)の星(升の四星と柄の三星に分けているんですね)、舵星(かじぼし)など。
たくさんの呼び名があるということは、それだけ昔の人々の生活に密着していたということ。見つめていると、勝手に昔の人とつながっているような気がしてきます。
七つの星全体だけではなく、一つ一つの星にも名前があります。たとえば、「柄」の先端(上図の一番上の星です)は破軍星(はぐんせい)と呼ばれました。これは、柄の先端を陰陽道で剣先に見立てて、この方角を万事に凶として避けたものです。中国では、この星に向かって軍を進めると戦に敗れると伝えられています。
そのもう一つ手前の星はミザールという二等星なのですが、実はここにはもう一つの星が寄り添っています。アルコル、四等星です。アラビア語で「微かなもの」という意味なんだそうです。アラビアでは昔、この星が視力検査に使われたそうです。私は何も見えません(泣)が、四等星なので、目のいい方なら街中のちょっと暗いところでも見える可能性はあります。ぜひチャレンジしてみてくださいね。
ちなみに昔はどこの国の方も視力がよかったようで、いろいろな国で別名が残っています。たとえば中国では輔星(ほせい)、日本ではそえぼしとも呼ばれますが、面白いのは「四十グレ(しじゅうぐれ)」。四十歳を過ぎると視力が落ち、ミザールとアルコルの見分けがつかなくなるところからついた名前なんですって。意地悪ですね。

では次に、北斗七星を使った北極星の見つけ方です。ひしゃくの先の星二つ(上図の一番下の星です)を見つけます。底から口側の星をつないだら、そのままその長さを5倍延ばしてみてください。北極星、見つかったでしょうか?
このように、目立つ星を利用して見つけたい星を探す方法は、知っていると便利ですし、その通りやってみて見つかった時には何だか楽しい気持ちになります。よろしければぜひ試してみてくださいね。

北極星のお話は一つだけ。
現在の北極星はひしゃくの柄の先、つまりこぐまの尻尾の先なのですが、実は3000年前にはこの場所は天の中心(天の北極、といいます)ではありませんでした。そう、北極星も動いているのです。当時天の北極の位置にあった星は、ひしゃくの反対側の終点(升の一番左上ですね)。そのためこの星はアラビア語で「アル・カウカブ・アル・シャマリー」――北の星という意味です――という名前がついています。
北極星の位置が移動するのは、歳差という地球の首振り運動によるものです。今の北極星の位置もこれから変わっていき、4500年後には天の北極から30度も離れてしまいます。そのころには、ケフェウス座という星座のγ星が北極星と呼ばれているはずです。うーん、雄大な話です。

では、最後に、おおぐま座とこぐま座にまつわるギリシア神話についてお話します。
登場するのは、またもやゼウスです。
ある日ゼウスは、カリストというニンフ(妖精)を見初めます。ゼウスに愛されたカリストは、アルカスという息子を産みます。
しかし、ゼウスにはヘラという大変嫉妬深い后がいました。二人のことを知ったヘラは怒り狂い、カリストを熊の姿に変えてしまうのです。獣になってしまったため口もきけないカリストは、悲しみにくれながら一人森へと消えていきました。
それから十数年後、息子のアルカスは、りりしい狩人へと成長していました。ある日、森の中を歩いていたアルカスは、大きな熊を発見します。熊もアルカスに気づきました。そう、その熊はアルカスの母、カリストだったのです。
カリストにはその若者が息子だとすぐに分かりました(すごいね…)。自分が熊の姿になっていることも忘れ、カリストは息子を抱きしめようと駆け寄りました。
アルカスは驚き、弓を構えます。
そのとき、稲妻が鳴りました。気が付くと、アルカスも熊の姿になっていたのです。天上から様子を見ていたゼウスが、二人の様子を哀れに思い、息子の姿も熊に変えたのでした。そして、二人の姿を空に上げたのです。永遠に仲良く暮らせるように。
しかし、ヘラの気持ちは収まりません。そこでヘラは、アルカスの尻尾を天の中心に貼り付けてしまいました。アルカスは、一晩中空の中心を歩き回ることしかできなくなりました。カリストも、息子の近くを離れるなんてことはできません。
他の星座たちは、一日空を歩いた後は海に入って疲れを癒します。でも、この熊の親子だけは、永遠に空を歩き続ける運命なのです。

ああ、泣ける…。ギリシア神話は理不尽な話ばかりです。そこが魅力的でもあるのですが。

というわけで、これでおおぐまとこぐまの話はおしまいです。お付き合いくださってありがとうございました。
来週も星空の話をしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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ずいぶん暖かくなってきました。明日もいい一日になりますように!

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