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2011年2月16日 (水)

私信 ハッピーバースデイ

(今日は一年に一度だけ、ある人のためにだけブログを書いています。本来こういう日を作るべきでないのは承知しています。不快な思いをされる方がいらっしゃったらすみません。誰かを傷つける目的で書いているものではありません。あくまで個人的な、自分に向けての文章ですので、今日だけ我儘なエントリを許していただけると嬉しいです)

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今日もこの日がやって来た。あれから1年以上たって、普段はあなたのことを思い出すこともない毎日。それでも、ふと一緒に見ていた景色に出会ったり、お互い好きだったものを見つけたり、あなたにかかわるものを見たりすると、思いが急流のように押し寄せて、私の中を駆け巡る。どうしようもなく、涙がこぼれる。そして、痛感する。まったく乗り越えられていない自分のことを。

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花のプレゼント、何にしようか迷ったけれど、やっぱりあなたには薔薇のイメージ。
誕生日、おめでとう。

今日は一日、aikoの「瞳」を聴いて過ごしていた。

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健やかに育ったあなたの真っ白なうなじに
いつぞや誰かがキスをする
胸を体を引き裂くような別れの日も
いつかは必ず訪れる
そんな時にもきっと あたしがあなたのそばにいる

中学生の頃から一緒に過ごしてきて、本当にいろいろな話をした。私の駄目なところも馬鹿なところも知っていた唯一の人。私が漫画家になりたいと言ったときも、小説家になりたいと言ったときも、一番最初に応援してくれた。そして翻訳の仕事をしたいと言ったときも。私はいつも、あなたに支えられていた。
あなたは中学生の時にはすでに私が到底追いつけないくらいたくさんの本を読んでいて、映画や音楽や絵のこともたくさん知っていた。それ以上に、私にはとても思いつけないような面白い考え方ができる、その感性。敵わないって思っていた。「勝ちたい」という気持ちにさえならなかった。私はあのころからずっと、ただあなたに認められたかった。

でも、私はあなたを必要としていたし、いつでもあなたに支えられていたけれど、きっとあなたはそうじゃなかった。
あなたがいつも苦しんでいたこと、知っている。中学校の頃からあなたはずっと、生きること自体に苦しんでいた。苦しんでいるあなたをすぐ近くで見ながら、どうしたらいいのか分からないでいた。私なんかには及びもつかないような遠い世界の話だったからアドバイスもできなかったし、「難しすぎて分からない」って言うのも恥ずかしかった。だから、分かったような顔をして話を聞くだけだった。
それでも聞きながら、心の中では思っていた。「どれだけ辛いことでも、いつかは時間が解決してくれるはず。生きるのをやめることさえしなければ、いつか立ち上がれる日は来る。私には何もできないけれど、せめてあなたのそばにいるから」。

でも、やっぱりそれでは駄目だった。あなたが本当に辛いとき、私はあなたにとって必要ない人だった。そばにいさせてほしいと伸ばした手も、振り払われた。
  「胸を体を引き裂くような別れの日もいつかは必ず訪れる そんな時にもきっと あたしがあなたのそばにいる」
そう願ったけれど、あなたの方はそんなこと必要としていなかった。
大切な人のために何かをしてもうまく行かない――それも確かにとても辛い。でも、大切な人のために何かをしたかったのに受け入れられないのは、少なくとも私にとって二度と立ち上がれないほどのことだった。

そして私は今も、同じことを繰り返している。
自分だけが誰かを求めていて、でも相手からは必要とされない。そんなことを私は子供のころからずっと繰り返している。
どうしてなんだろう。何が駄目なんだろう。
何を変えれば、受け入れてもらえるようになるんだろうか。
我儘も言わない。今やっている仕事だってやめてもいい。好きな音楽も本も変えてもいい。嫌いなものだって好きになれる。それで受け入れてもらえるなら。
でも、きっとそういうことじゃない。私が私であるかぎり、きっとその人から受け入れてもらえることはない。

私が自分の気持ちだけで生きている間、あなたは我慢して辛い思いをしていたのだろうか。私が鈍いせいで、傷つけたこともたくさんあるのだろうか。
できなかったことは、「仕方ない」ことなんかじゃない。鈍さは罪なんだ。あなたを思い出すと、自分の至らないところが一緒についてくる。だから辛い。

でも、あなたはいつも私のことを強くて優しいって言ってくれていたけれど、私はそんなに強くもないし、優しいわけでもない。ただ寂しいだけなんだ。だから、私のことを必要としていない人から言われる「優しい」は、突き放されたようで心がえぐられる。そんな言葉いらないから、一緒にいたいだけだったのに。

辛い。寂しい。嫌だ。

ちゃんと言葉にできていれば、よかったのだろうか。

今はまだ、生きているのも辛い。でも、無理に流れに逆らわず、何とか毎日を過ごしていきたい。そしていつか、あなたへの思いが整理できたら、会いに行こうと思う。もっと強くなれたら。

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