4月の星空 (2)
今日も、春の星座についてお話します。
今の時期、東の空にはオレンジ色の明るい星が見えます。うしかい座のアークトゥルスです。
アークトゥルスは、全天で4番目に明るい星です。特に春の星座の中では最も明るいので、すぐに見つかると思います(ただし、今はすぐ近くに土星があるので、明るさは一番ではありません。この話は後でもう一度します)。この星から北の方へ、ネクタイのような形(アークトゥルスが結び目です)を作ることができれば、こちらがうしかい座です。アークトゥルス以外の星はそれほど目立ちませんが、星座図を見ながらじっくりと探してみてくださいね。
うしかい座はギリシア時代からある古い星座です。ホメロスのイリアスとオデュッセイアにも名前が出てくるとか。うしかいが誰なのかは諸説あるのですが、森のニンフのカリストと大神ゼウスの息子アルカスであるとも言われていて、面白いです。アルカスはこぐま座じゃなかったっけ。一人二役?
さて、これで春の星座の主役級が出そろいました。しし座のデネボラ(レグルスではありません)、おとめ座のスピカ、そしてうしかい座のアークトゥルスの三つをつなげると、春の大三角です。
また、スピカとアークトゥルスは一対で「夫婦星」とも呼ばれています。アークトゥルスが夫、スピカが妻です。これは、実際に見てみると分かるかもしれません。アークトゥルスはオレンジの力強い色、スピカは純白に輝いていて確かに清らかな乙女のようですから。
さらに、今は北の空におおぐま座も見えますよね。このひしゃくを南側にぐぐーっと伸ばしていくと、アークトゥルスとスピカにぶつかるのです。これを、「春の大曲線」と言います。(本当は春の大曲線の終点は「からす座」です。こちらはまた来週以降にご紹介しますね)
ただし。
このように「スピカ」が関係するように線を結ぶときは、要注意です。今の時期は、スピカのすぐ近くに土星があって、非常に紛らわしいのです。(上の星座図でご確認ください)
春の大三角を作るときに間違えて土星につないでしまうと、きれいな正三角形になりません。また、春の大曲線でも、途中で土星につないでしまうと、曲線がからす座まで届きません。
見分け方としては、土星の方が明るくてオレンジ色というところでしょうか。
夜もずいぶん暖かくなってきました。お時間のあるときに、ぜひ天体観測のことも思い出してみてくださいね。
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