沖縄、いちごいちえ (58)
みるみるうちに遠ざかるキャリーバッグを茫然と眺める私。
たかがコートに我を失って、とんでもないことをしてしまった。どうしよう!?
とりあえず、今すぐ桑名駅に電話をかけなければ。
あのままホームに置いておいて、キャリーバッグごと盗られたりしたら、本当に立ち直れない。
そう思い、ハンドバッグ(は手に持ったままだったのだ。セーフ!)から携帯電話を取り出して、桑名駅をGoogle検索してみる。Wikipediaのページが見つかるものの、電話番号が載っていない。他のページも探してみるけど、やっぱり見つからない。なんで!?
これは埒が明かない。いや、落ち着いて。ここは電車の中なんだから、車掌さんをつかまえれば桑名駅の電話番号くらいすぐ分かるはずじゃないか。なんなら無線か何かで直接連絡を取ってもらえるものなのかもしれないし。
再びアーバンライナーの中を駆け回る。ちらほら残っている乗客から奇異の目で見られるが、気にしてなどいられない。先頭車両まで着いても、車掌さんいない!(涙)そのままUターンして後部車両までダッシュ。3両目でようやくこちらに歩いてくる車掌さんを見つける。ああ、神様!
パニックの上走り疲れて、まともに話せない。
「あの、桑名駅の電話番号教えてください!」
「は…? どうされたんですか?」
いぶかしる車掌さんに状況を説明したけれど、まったく話が通じない。おそらく、パニックになりすぎて意味不明なことをしゃべっていたのだろう。でも、パニックさなかの私はついでに怒り始めて、「だからぁ!」と因縁までつけ始めた。車掌さん、可哀想に…。
「なんだかよく分かりませんが、とにかく桑名駅に忘れ物をされたんですね?」
「そう、そうです! ですから電話番号を!」
悲鳴をあげた私への車掌さんの答えは、非情だった。
「私にも分からないんです」
「えっ……」
「一番後ろの車掌室まで行けば、どこかにメモがあるかもしれないんですが、そこまで探しに行ったあげくに見つからなかったら、お客さん困りますよね? 104で調べてもらった方が確実かと」
ががーん。
まさか、ここで104が出てくるとは思わなかった。近鉄電車の中なのに、近鉄沿線の駅と連絡取り合えないらしいですよ、皆さん!(誰)
「わかりました…ありがとうございます」
かろうじてそう告げると、可哀想な子を見るような目をしながら「お役にたてなくてすみません」と車掌さん、去って行ってしまった。
(テンパっていてろくにお礼も言えなかったのですが、終点間近(しかも終電)の忙しいお時間に絡んで本当にすみませんでした。あの時の車掌さん、ありがとうございました…)
ああ、こうしている間にも私のキャリーバッグちゃんが悪い人にさらわれているかもしれない(だとしたら完全に自業自得)。
再び携帯電話を取り出して、もどかしく104をダイヤルする。すぐにアナウンスのお姉さんにつながる。「近鉄桑名駅をお願いします」と告げるとよどみなく「少々お待ちください」と頼もしいお返事。しばし間があき……あっ!
104を使うの久しぶりで忘れていた。電話番号2回しか言ってくれないんだよね。メモしなくちゃ。慌ててハンドバッグの手帳を探す。その間にも、すでに1回目の電話番号が流れている。あわわ、ちょっと待って!!
2回目のアナウンスを何とかメモして、すぐにかけてみる。なかなかつながらない。なんでこんなにつながらないの?10コール目くらいでようやく受話器を取る音。
「はい」
「あの、桑名駅ですか?」
「……はい?」(不機嫌な声)
ぎゃーっ、かけ間違えたーー!!
やっぱり慌ててとったメモだから間違ってたんだ。こんな夜中(23時45分くらい)にもう最低。平謝りして、電話を切る。そして再び104。さっきと違うお姉さんに当たりますように。もう半泣き。
想い通じて、さっきとは別のお姉さんに対応してもらう。再度番号を教えてもらい、今度こそ!
「はい、桑名駅です」
つながったぁ!!
(つづく)
:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+
何かもう、書いてて嫌になってきた(笑)。
昨日書き忘れていた、妹からの東京土産。さすが、分かっているね!
今日はいい天気でしたね。干したお布団もいい匂い!
明日もいい一日になりますように♪
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