【読書感想文】本番力
著:和田裕美
ポプラ社
和田さんの新刊が出たので、また買ってしまった。
人前で話すなんて機会がすっかりなくなって早1年。「本番力」なんて自分には関係ないかな、とも思ったのだけれど、「プレゼンや講演だけが本番じゃない」という言葉に興味が湧いた。
ここぞというときにいつも以上の力を発揮できる「本番力」を身につけよう、という本。
なぜそんな力が必要なのかというと、
もともと能力がある人だったら、本番で半分の実力しか出せなくても、なんとかなるのです。しかし、私のようなごく普通の人間が人生を切り開いていくには、本番で実力以上の自分を見せることができないとチャンスが掴めないのです。
ということ。
前半は和田さん自身の人生を通して、どの局面で本番力を身につけたかのエピソードが書かれている。そして後半に書かれているのが、「本番力を身につけるための13の習慣」と「本番力を発揮するための13の習慣」。
その最初の項目「まずは決意すること」に、叱りつけられたような気持ちになった。
みなさんの今の状況は、それぞれだと思います。それに、私の場合は、好きとか嫌いとか関係なくなかば強制的に人前に立たざるをえませんでした。なので、「この仕事で食べていかないといけない」と覚悟して、何度も挑戦し続けました。
その挑戦がなければ、私は絶対にこの仕事をしてこなかったと思います。
みなさんは、そんな状況にはありませんよね? だからこそ、私以上に強い決意が必要なのです。
繰り返しになりますが、「こうなったらいいな」という願望だけで結果を出した人なんていないのです。結果を出したいのなら、願望を決意に変えることからはじめなければなりません。
願望は心地よいものですが障害に弱いのです。一方、決意には覚悟が必要ですが、障害に強いし継続されるのです。
自分が「この仕事でうまくいったらいいな」という願望しか持っていなかったわけじゃない。
甘く見ているわけでもないし、さぼっているつもりもない。(いえ…時々さぼってますが)
このブログでは、「翻訳に対する決意」とか「覚悟」を正面から書いたことはほとんどないけれど、それは何も考えていないわけじゃ(たぶん)なくて、何も成し遂げていないくせに言葉だけ大きなことを言う人になりたくなかったから。
でも、本当は口にしてやっぱりできなかったときに「口だけ」だと思われるのが嫌だったんじゃないか。最初から逃げ道を考えていたんじゃないか。
というわけで、今日だけ特別に、和田さんの言うとおりに決意表明してみます。うう、手が震える。
「私は、絶対にこの仕事で暮らしていけるようになります。
絶対にこれからも食らいつく。途中ではやめない。諦めない」
ドキドキ。
正直、他の方を見ていて、「ああ、自分には翻訳に対してこれほどの愛情はない」と痛感することが多い。
止められても訳したい、訳している時間が一番幸せ、とは思えない。そのことがこれからも弱点になるのではないか、とも感じている。
でも、なぜだかわからないけれど、自分はこの仕事にたどり着いてしまった。
そうであれば、「仕事」として恥ずかしくないものを絶対に作れるようにならなければいけない。自分にあるのは、その気持ちだけだ。
それでは足りないのかもしれないけれど、それしかないんだからもう仕方ない。
この仕事で食べていかないといけない。
その気持ちだけは持っている、はず。
くじけそうになることもたくさんあるけれど。きっとこれからも「もう無理」って泣くんだろうけれど、それでもせめて歩くことだけは続けるんだ。
ああ、決意表明って恥ずかしい…。
ただ、もちろん決意表明→行動だ。
今日のラジオ講座でも叱られたのだ。
Be true to your word.(口にしたことは守りましょう)
はい!
それでは皆様、明日もいい一日を!
« 6月の星空(2) | トップページ | 癒し系だしー »
« 6月の星空(2) | トップページ | 癒し系だしー »
コメント