今日は久しぶりに星座紹介です。今日ご紹介するのは、ほとんどの方がご存知の星座だと思います。
まずはこちら。ちょうど今の季節、夜の9時ごろに南東の地平線上を探すと真っ赤な星が見えますでしょうか?さそり座のアンタレスです。
アンタレスは真っ赤に輝く1等星。すぐに見つかると思います。この星を挟んでいくつかの星が大きなS字型を描いています。
さそり座は黄道12星座のひとつ、星占いでもおなじみの星座ですね。
(ちなみに、わたくしこう見えてさそり座の女ですの。こういうときだけミステリアスアピール…ふふふ)
こんな姿です。
ギリシア神話では、オリオンを刺し殺したサソリの姿だと言います。オリオンは腕の良い猟師でしたが、ある時調子に乗って「この世に俺より強いものはいない」と言ってしまいます。驕り高ぶったオリオンに腹を立てた大地の女神は、1匹のサソリを放ってオリオンを殺させたのです。
その後、オリオンもサソリも星空に上げられましたが、オリオンはサソリが怖くて一緒にいたくなかったため、この二つの星座は同時に空にはあがらなくなったのでした。
なお、この星たちは古代ギリシアではサソリの姿に見立てられましたが、他の地域でも色々な呼び名がつけられました。
中国では青竜、インドネシアでは椰子の木、日本では釣り針に見立てられていました。「S字型」からの連想ですね。
さらに、1等星のアンタレス(アンチ・アレス:火星に対抗するもの、の意)にも多くの別名があります。ラテン語ではコル・スコルピオ(蠍の心臓)、中国では大火、また青竜の心臓として心宿、日本では赤星、豊年星などです。
やはり目立つ星には、世界中で様々な名前がつけられているんですね。面白いです。
さて、もしかするとニュースなどでご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんが、さそり座のジュバという星が今非常に明るいです。文字通り、増光しているのです。
ジュバとはS字がT字路のように横の線とぶつかるところにある、白く輝くδ(デルタ)星です。普段は2等星程度の星なのですが、先月中旬からアンタレスとそん色ないくらいに明るく輝き始めています。(以前さそり座を観たことがある方ならすぐに気づくくらい違っています)
こんな風に突然明るくなったり暗くなったりするのは、この星が変光星(明るさが変わる星。原因は色々です)だからなのですが、最近になって、ジュバは普通とはかなり異なるタイプの変光星であることが分かってきています。まだ変光のリズムもはっきりとは分かっていない段階です。今後の研究が楽しみな天体です。
ああ、さそり座だけでとんでもない長さに…。別に自分がさそり座だからと言って特別張り切ったわけではありません…たぶん。
では続いて、さそり座の西隣にある星座、てんびん座です。
先ほどのジュバを含む3つの星(「く」の字を裏返したような形)と同じような形(でも3倍くらい大きい)がてんびん座です。さそり座のアンタレスとおとめ座のスピカのほぼ中間にあります。3等星とやや暗いですが、さそり座からたどれば簡単に見つかるはずです。
てんびん座も、黄道12星座のひとつです。
そもそも黄道とは、太陽が1年かかって星空を1周する(ように見える)際に通る道のことです。黄道上には12個の星座がありますが、ほとんどが生き物の姿をしているため、この空域は別名「獣帯」とも呼ばれています。ところが、てんびん座は黄道12星座のひとつでありながら、なぜか、たったひとつ道具を表す、例外的な星座です。
これは、昔この星座のところに秋分点があり、昼と夜を分けるところから、「天秤」をかたどったのだ、とも言われています。
ギリシア神話によると、これは正義の女神アストレイアの持つ天秤の姿なのだそうです。人が死ぬとアストレイアはその人の心臓をこの天秤で量って善悪を知り、善人は天国へ、悪人は地獄に送るのだとか…恐ろしい。
それでは今日はこのあたりで。夏の星座なかなか進んでいないなあ…勝手に焦る。次回もよろしくお願いいたします。
明日も幸せである様に♪
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