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2011年12月30日 (金)

12月の星空(5)

Index01

ああ、もう今年も終わりなのに、全然進んでいないこのシリーズ。。
結局秋の星座を紹介しきることができませんでした。残り、どうしよう…(考えます)

せめてもの抵抗として、今日はたくさん紹介したいと思います。

まずは一つ目。夜8時頃に西の空を見ると、白鳥座の十字が見えます。そして、北に目をやると、カシオペア座の「W」字が見えるはずです。その真ん中にある星座、とかげ座です。

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暗い星ばかりで見つけにくいですが、ジグザグに並んだ星がなんだか可愛らしい、印象に残る星座です。

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17世紀に、すっかりおなじみの天文学者ヘベリウスが作りました。このあたりはちょうど天の川でもあるのですが、そのきらめきがトカゲのうろこの輝きに似ているから、という理由で作ったのだそうです。「いもり座」とで悩んだらしいですよ(笑)

続いては、同じく夜の8時頃に西の空高いところにある大きな四角形、ペガスス座を見つけます。そのすぐ近くにある星座、こうま座です。

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大きな天馬と小さな子馬が並びます。
ペガスス座の左上の星と右下の星をつないで、そのまま右下方向に、対角線の長さと同じだけ伸ばすと、その途中に星が点々としています。これがペガスス座の首で、首の先の少しだけ右上に輝く明るい星が、ペガススの鼻です。この鼻先からさらに右の、縦に並んだ暗い星ふたつが、こうま座です。

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88星座のうち2番目に小さく、日本から見られる星座としてはもっとも小さな星座です。
ギリシア時代から伝わる古い星座ですが、なぜか、こうま座にまつわる神話は残っていません。

続いては、有名な星座行きます。黄道12星座のひとつ、みずがめ座です。

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名前はよく知られているものの、暗い星ばかりでとても見つけにくいです。目印になるのは、三ツ矢のマーク。先ほどのペガスス座の大四辺形の右下を探すと、三ツ矢のマークが見つかります。ここが水瓶です。次に、大四辺形の右側の辺を下の方に約2.5倍伸ばしていくと、一つポツンと他から離れて輝く明るい星(フォーマルハウトと言います。あとで紹介します)にぶつかります。三ツ矢からこの星まで続く暗い星が、水瓶からこぼれ落ちる水です。

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全体は、こんな姿です。
ギリシア神話によると、これはトロイの王子ガニメーデスだといいます(王子ではなく、羊飼いという説もあります)。あまりに美しい(この絵ではそうは見えませんが…)姿にほれ込んだ大神ゼウスは、鷲に姿を変えてガニメーデスをさらってしまいました(→わし座)。その後、息子を失って嘆き悲しむ両親を見て心が痛んだゼウスは、せめて心が慰められるように、とガニメーデスの姿を空に映したのだそうです。なんでしょ、その解決策。。いいのか?

最後に、そのみずがめ座と繋がっている星座を紹介して終わりたいと思います。みなみのうお座、と言います。

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先ほど水瓶から流れ落ちた水を受け止めているのが、このみなみのうお。
ペガスス座の右側の辺を下に2.5倍伸ばしていったところにある星、フォーマルハウトと言います。なんと、秋の星座の中で唯一の一等星です。そのまんまですが、「魚の口」という意味なのだそうです。ここから右に向かっておまんじゅうのような形を作ります。

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こんな姿です。
紀元前800年頃、アッシリア帝国の支配するメソポタミア地方ですでに作られていた星座です。当時は「魚の神の妻」と呼ばれていたそうです。
ちなみに、フォーマルハウトには「南の一つ星」「秋星(あきぼし)」という和名もあります。やっぱり秋一番の明るい星、印象に残ったのでしょうね。また、中国では「北落帥門(ほくらくしもん)」という呼び名が残っています。長安の北門の名前です。古くは、北落帥門が微かなときは軍が滅びると言われており、この星を兵の星に見ていたのだそうです。

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今年はブログの場をお借りして、天文の話をちょくちょくさせていただきました。関心のない方には退屈なエントリーだったと思いますが(妹よ、ごめんよー)、お付き合いいただいてありがとうございます。
紹介するには知識が足らず、かなりの部分勉強し直しました。やってみなければ、漠然と天文のことを知っているような気分になっていたんだろうなあ。ありがたい機会でした。余裕がない時期には真っ先にこのシリーズを飛ばすことになり(そしてよく余裕がなくなっていたので)思っていたよりも紹介できなかったのが悔しいですが、これで一区切り。
来年どうしようかまだ決めていませんが、続ける場合はまたお付き合いいただけると嬉しいです。
まずはありがとうございました。

※そして星座一覧表はこんな感じになりました。少しは埋まってきたかなー。

明日も幸せである様に♪

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