5月の星空【金環日食のはなし②】
今日は前回に引き続き、「金環日食の観測方法」についてお話します。
→①日食の基礎知識
→③日食の撮影
前回も書いた通り、金環日食というのは太陽のすべてが隠れているわけではありません。絶対に直接観察してはいけません。日食時に太陽を直視したために目の網膜を傷つけて、最悪失明に至る…という症例が多くあるようです(「日食網膜症」という名前もついています)。
私が子供の頃には、日食グラスの代わりにサングラスや黒い下敷きなどを使えば大丈夫、と言われていましたが、これらは赤外線などを通してしまい、安全ではないそうです。
というわけで、直接太陽を見るなら日食グラスが必須です。こんなキャラクター付きのものさえ選ばなければ数百円で手に入ります。日食は3~5分くらいですので、ご家族皆さんでご覧になる場合は人数分揃えておいた方が安心です。
また、日食グラスさえあれば安心というわけではありません。グラスの隙間から太陽を見てしまったり、見終わってグラスを目から離した瞬間に太陽光が目に入ってしまうこともあります。つばのある帽子などを併用するといいようです。それから、日食グラスを使う場合でもあまり長時間見るのは危険です。金環日食中の数分なら大丈夫だと思いますが、部分日食に入ったら1分以上連続して見るのは避けた方が無難です。
日食観察は危険がいっぱいですねえ。でもそれも、直接見る場合の話。直接見ないで太陽が欠ける様子を楽しむこともできます。影を利用するやり方です。
小さな穴に太陽の光を通して映します。普段なら太陽の形に丸い影ができますが、日食の時には欠けた形になります。これなら何時間見ていても安全です。
地面に白い紙を張り付けて、穴の開いたもの(この場合は穴あきお玉)をかざして紙に影を映します。一つ一つの影が欠けていますね。すごーい!
穴の形は円形じゃなくても大丈夫です。こんな穴あきシートや、麦わら帽子、レース素材の布などでもいいみたいですよ。
穴の大きさによってくっきり見える距離が変わるので、事前に試してみるといいかもしれません。
もう一つ、「木漏れ日を利用する」という方法もあります。
(自分で見つけた写真なのでいまいちですが)木漏れ日が丸い形になるところがありますよね。高い街路樹が並んだところなどが狙い目です。当日は、この丸が欠けて見えるわけです。
こんなふうに見えるそうです。これ、絶対感動する。
事前に、同じくらいの時間に丸い木漏れ日が見られるポイントを探しておくといいと思います。
部分日食の時間を合わせても3時間弱のイベントですがやることがいっぱいですねえ。慌てないように、今から準備しておかねば。
当日まであと10日。いい天気になりますように。
※今回の記事も、名古屋市科学館HPの画像を使わせていただきました(自分で撮った2枚以外)。ありがとうございます!
明日も幸せである様に♪
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