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2012年7月 3日 (火)

イギリス英語とアメリカ英語のはなし(1)

日本語→英語への翻訳依頼で、時に「アメリカ英語にしてください」「イギリス英語にしてください」という指定があります。実は、アメリカ英語とイギリス英語ってかなりいろんなところが違うんですよね。その文書を使う場所がアメリカなのかヨーロッパなのかアジアなのか(仕向地と言います)などに応じて、どこの英語にしてほしいのか指定いただくことがあるのです。
ただ、「アメリカ英語で」という依頼に対して、イギリス人の翻訳者しかつかまらないこともあります。そういう時は、「アメリカ英語にしてください」と依頼すると、相手もわかっていて、スペルや単語などをアメリカ向けにして返してくれるのです。しかし、それでもところどころにイギリス英語らしさが残ってしまったりして。

ちょうど今日その違いを再認識する機会があって、それで思い出したのです。
翻訳会社に勤めていたころ、「そもそもアメリカ英語とイギリス英語はどう違うのか?」をテーマに勉強会を行ったことがあったのでした。
そのときに調べたことを備忘録としてここにまとめ直そう、と思い、いきなりいつもとは毛色の違う記事が始まったわけです。
それから、私のブログの読者様は英語のプロが揃っていらっしゃるので、おかしなことを書いていたら指摘してもらえるかなー、と期待してみたり(笑)

(がしかし、発表に使ったプリントがさっぱり見つかりません。思い出しつつ再度調べながら書くので、時間がかかりそうな予感…)

America

(1)仕向地って?
ここでは「アメリカ英語」「イギリス英語」としていますが、本当はそうではなく、英語を話す国それぞれで少しずつ英語の使い方は異なっています。「オーストラリア英語」「ニュージーランド英語」「カナダ英語」「シンガポール英語」など(もっといえば、アメリカ、とひとくくりにもできなくて、地域や階層ごとに使われる言葉は違います。言語ってそういうものですものね)。

ただ、あくまで公的文書を翻訳するという範囲においては、非常におおざっぱですが、アメリカ英語とイギリス英語の使い分けができていれば、よほどのクライアントでなければ満足いただけます。
多少のぶれはあるものの

・アメリカ英語→アメリカ、カナダ、南米
・イギリス英語→イギリス、ヨーロッパ、オセアニア(オーストラリア、ニュージーランドなど)、アジア(シンガポール、香港など)

こんな感じで分かれます。オセアニアやアジアはイギリスの植民地だったため、使う英語もイギリス英語なのですね。

(2)イギリス英語とアメリカ英語の歴史
そもそも、どうしてイギリスとアメリカで違う英語が存在するのでしょうか?これは、2つの理由で説明可能です。

■時代背景(1)
17世紀初頭、イギリス人がメイフラワー号などに乗ってアメリカ大陸に渡ります。このときもちろん英語も持ち込まれるのですが、17世紀というのはシェークスピアの時代です。シェークスピアの英語をご覧になったことがある方はお分かりかと思いますが、今とはずいぶん違う古語を使っていますよね。そんな時代の英語が、アメリカに渡ったのです。
もちろんその後も両者の交流はありますが、やっぱり大西洋は広いです。その後のイギリス英語の変化がアメリカに伝わらず、その結果、現在のアメリカ英語には、当時のイギリス英語の発音、用語が残ってしまっているもの(古音、古語)があります。

【例】
<発音> 
r音、[æ]音、oの音([ɑ]or[ɔ])、-aryに置かれる第二アクセント、h音の脱落が見られない、a, ayを[æi]と発音しない、butterなどのtの発音など

<語彙>
以下は、現在のイギリス英語では使われないか意味が変わっています(<アメリカ英語⇔イギリス英語>です)
blank(零敗させる⇔古語)
fall(秋⇔落ちる)
guess(思う⇔想像する)
homely(みにくい⇔家庭的な)
sick(病気の⇔吐き気のする)
trash(下らぬものたち⇔古語)
overly(過度に⇔古語)
slur(中傷する⇔古語)

****

ひーん!なんと時間のかかることを始めてしまったのか…。非常にキリの悪い場所ですが、力尽きました。。。

もしこんなところまで読んでくださっている方がいらっしゃったら、本当にありがとうございます。
突っこみどころなどあればぜひともお願いいたします。

シリーズ自体に力尽きないようにがんばります。。

明日も幸せである様に♪

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