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2014年4月15日 (火)

丁寧は悲しい

高校に入ったばかりの頃、「すみません」という言葉がとても苦手だった。
「ありがとう」か「ごめんなさい」かはっきりしなさいよ!と思っていた。
誰かが自分に「すみません」と言うと、なぜかとても悲しい気持ちになった。

でも、いつのまにかその違和感は消えて、私はごく普通に「すみません」と口にしている。

大人になって、使ったことのない言葉の数々におののいた。
「お世話になっております」「承知いたしました」「かしこまりました」「拝受いたしました」「ご査収のほどお願いいたします」

こんな言葉使える日は来るのか?と思った日がもはや懐かしいくらいに、今の私は1日何十回も「こんな言葉」を繰り返している。
でも、いつまでたってもちっとも慣れない言葉がある。

「お気遣いいただいてありがとうございます」

いや、仕事なら何とも思わない。プライベートでこの言葉を聞くと(なので正確には、「お気遣いいただいてありがとう」と言われたとき)なぜかとても悲しい気持ちになる。
ポン、と、突き放されたような気持ちになる。
たしかにこの言葉でしか気持ちを伝えられないときはあるけれど、そんなときでも「お気遣いいただいて本当にありがとうございます」とか何か言葉を加えて、悲しい雰囲気を希釈したくなる。

プライベートの場でされる過剰に丁寧な言葉遣いに、距離を感じてしまうのかなあ。この言葉を「過剰に丁寧」と感じられないようになれば、自分でも違和感なく使えるようになるんだろうか。「すみません」のように。

…と考えたところで我が身を振り返る。
私こそ、いつまでたっても敬語が抜けない。おそらく、家族、恋人、学生時代の友人以外に私が「タメ語」で話す相手はいないはず。
相手には、私が距離を置いているように伝わっているのかなあ。というか、そもそも私自身が距離を置いて接しているのかなあ。
今日、親戚のお姉さんとランチをしていたのだけれど、そんな相手に対しても敬語が決して抜けない自分に対して、こんな夜中にくよくよ。

明日からはいよいよ旅行。仕事終わっていないけれど(なんで仕事しているんだろう…)もっと楽しいことを考えるぜー。

明日も幸せである様に♪

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コメント

いつもお世話になっておりますw

昔の会社の営業に「すみません」のフレーズが口に張り付いて取れなくなってしまった人間がいました。あれは哀しかった。ヒドいときには、かかってきた電話に「すみません。○○会社です。」と応えていました。彼からはもう「もしもし」という言葉が消失してしまっていたんですね。また、部長に「すみません、ってもう言うな。」と怒鳴られ「すみません」と応えてさらに怒られている姿も哀しかった。職場の哀しい風物詩でした。

この記事の内容とはあまり関係ないのですが、そんな昔の光景を思い出しました。

京都旅、たのしそうですね。 Have a good day!

いつもお世話になっております!ご無沙汰しております\(*^▽^*)/
(↑ダブル)

電話でも「すみません」はすごいですね・・・・
そういえば、昨日の吉野山で入ったお茶屋さんにも、帰り際「ごちそうさまでした」とお声掛けしたら「はい、すみませんでした」と返すおじいさんがいらっしゃいました。「すみません」が癖になっている(と想像される)人、結構いるような気がします。。

えへへ、とても楽しく過ごしています!ありがとうございますー!

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