甘くて苦い日(6)
昨日の桜を見つけたのは、久々のランニング中。
あまりにあったかくて気持ちよさそうな空を見ていたら我慢できず、アレグラを飲んで飛び出したのだった。久しぶりのランニングはもちろんすぐに息切れしたものの、一番最初の【45秒で息切れ】ほどひどくはなかった。あの時についた筋肉はまだかすかに、かすかに残っている。そしてあの日のことも、まだ思い出せる。
というわけで、数か月越しにまさかの再開。
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前回はこちら
甘いものも食べて2周目が終わったところで残り30分。いけそう!
…と思った直後、衰えは突然やってきた。
足が急に重い。息も苦しい。
そう、この時点で7km。まともに練習した距離が5kmまでだった私は、とっくにいつもの限界を超えていたのだった。
鼻と喉の詰まりが苦しさに拍車をかける。しかもここから上り坂。
あ…無理かも…と心が折れそうな雰囲気を感じた。
とりあえず歩こうかな、と。
でも頭のどこかで、とりあえずでは済まないこともわかっていた。ここで歩いたら一気に崩れる。たぶん、完走できない。
どうしよう。辛い。苦しい。無理。
泣きそうになったまさにそのとき、奇跡のタイミングでイヤホンから流れ始めたのは、矢井田瞳「Simple is Best」だった。
あなたが笑ってくれるなら
尋常じゃない距離だって走ってやる
誰にどう思われたっていいんじゃない?
単なる暇つぶしに構ってられないわ不条理な事は道端に落ちてる
どうか踏まないように なるだけ避けるようにして
それでも偉大なものに頼らぬ方が良い
大抵の答えなら 手の届く範囲にある
目を凝らして楽しめる人が勝者って事!
…
そう簡単に限界はこない!
あなたがいつか望むのなら
身代わりになって今すぐ終わりにしてやる
孤独だなんて一生思わないで
憤りも涙も いつでもぶつけて
聞きながら危うく泣きそうだった。
でも泣かない。笑顔で走ろう。楽しもう。そう簡単に限界は来ないんだから。右足、左足、また右足。1歩ずつ進めばちゃんとゴールできるから。
もう最後までこの曲だけ聞いていよう、と1曲リピートに設定を変えて、足に力を込める。
つづく。
***
今日のランニングも楽しかった。
幸せだなあ、楽しいなあとニコニコ走っていたらお姉さんの「お疲れ様でした」アナウンスが流れて(またこのアプリ使っています)、もう終わりなんだと寂しくなったくらいだ。
この楽しさを知ることができたというだけでも、あの3か月の価値は計り知れない。
明日も幸せである様に♪
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