今ここに引き戻す
「マインドフルネス」という言葉を初めて知ったのは、たぶん5年くらい前。
リーディング依頼を受けた洋書で取り上げられていた。
「日本ではあまり広まっていない概念だと思うので、『マインドフルネス』という言葉を使うべきかどうか」みたいなことを書いた気がする。きっとあの時点でも「広まっていない概念」なんてことなかったよね。知らないって恥ずかしいし、私が余計なことを書いたせいであの本の出版が見送られていたらどうしよう(思い出し焦り)。
いや、こういうことをいつまでもくよくよしないのがマインドフルネスの理念でした。
あれから数年の間に、最初から日本語で書かれた自己啓発書でも「マインドフルネス」という言葉をよく見かけるようになったし、そのものの言葉が使われていなくても「今ここに意識を向ける(過去や未来にとらわれない)」という考え方はかなり市民権を得てきたように思う。
それで何となくわかったような気になっていたんだけど。
最近気持ちの落ち込みがひどくてどうしたらいいかわからなかったときに、この本のことを思い出した。
(というか、ある方に思い出させていただいた)
『心がヘトヘトなあなたのためのオックスフォード式マインドフルネス』ルビー・ワックス・著、上原裕美子・訳
尊敬する先輩翻訳者・上原裕美子さんの訳書です。
出版されたときから気にはなりつつ、申し訳ないことに後回しにしていたんだけど、読むのが今のタイミングで心底よかった。
イギリス人コメディアンのルビー・ワックスさんが、ご自身の体験をふんだんに盛り込みながら、心がヘトヘト(frazzled、「心がヘトヘト」ってすごくないですか!絶対私じゃ思いつかない…)なあなたと私のためにマインドフルネスの方法と効果を教えてくれる。
最初から最後までまなざしがずっと優しくてあたたかくて、何度も涙が出そうになった。
私の頭の中ではいつも声が流れていて、騒いだり、周りや自分自身を罵りつづけたりしている。過去の失敗を蒸し返したり、明日の予定のことを思い出して焦ったりしている。
そんな声に気づいたら、ただ責めずに引き戻す。
毎日続けているストレッチの間、まずはそれだけをやってみることにした。
まだ日常生活への影響までは感じていないけど、とりあえずストレッチが今までより気持ちよくなったよ。
あと、大先輩の作品にこんなこと書くのおこがましいんですが、翻訳がめちゃくちゃよかったです。
ルビー・ワックスさんのことは存じ上げないので、すっかり上原さんに1冊分励ましていただいたような気分になっている。
『スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック』ジェームズ・ドゥティ・著、関美和・訳
続けて読み始めたこちらもすでに最高。
もうプロローグでちょっと泣いたもん。
関美和さんの翻訳書、今年もう3冊目だけどどれもすごくいい。
この本、読み終わったら翻訳の勉強に使わせてもらおうかな。どんな原文からこんなに自然な日本語になるのか知りたい。
今は手元の52冊を読まないといけないから、ちょっとだけ後回しにしますけど(本末転倒)。
こういう本からマインドフルネス瞑想に挑戦してみようかと思ったものの、本の文字を見るときにやや現実に戻ってしまう。音声でナビゲートしてくれるものがないかと探してみると、本もDVDもYouTubeもいくらでも出てきた。すごい。
とりあえずアプリにしてみました。
Relook。無料でこんなにいいの、と思うくらいコンテンツが充実している。あと、ナレーターの女性の声が可愛い。
筋トレと一緒で、1日だけ詰め込むより毎日少しずつでも続けたほうがいい、とナレーターの女性が言っていたので、まずは続けてみようと思います。今日がその1日目ですが。
習慣を無理に増やすとまた爆発してしまうので、自分の状態を見極めながら、少しずつね。
■読書ログ■
・和書105:『ヒーローたちの戦うキモチ~ウルトラマンからワンピースまで』林延哉、高田明典・著、サイゾー、電子書籍→読了
・和書106:『自由な心になれる 般若心経エッセイ』加藤朝胤・監修、リベラル社、電子書籍
・翻訳31:『カウントダウン 世界の水が消える時代へ』レスター・R・ブラウン・著、枝廣淳子・監訳、海象社、紙の本
・洋書8:翻訳セミナーの課題書
■勉強ログ■
・洋書7:課題範囲を読み込み
・NHKラジオ講座:1時間16分
君にいいことがあるように 今日は赤いストローさしてあげる♪
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