セカンドキャリア
ココログに「いいね」機能がついたそうです。
数字は容赦なく現実を突き付けてくるからなあ。
あまりに寂しくなってきたら無効化するかもしれません(メンタル弱)。
この間、広島東洋カープのドラフト1位栗林良吏選手を取り上げたときに、名城大学で山内壮馬さんがコーチを務めたという話を書いた。
その山内さんを取材した記事を昨日読んだ。知らないことばかりだった。
「地元TV局からオファーも…元中日ドラ1・山内壮馬が歩む大学指導者の道「やりがいがある」」(Full-Count)
現役の最終年(楽天)から引退後のことを考えていた山内さん。
中日からは打撃投手と広報、名古屋のテレビ局からも解説者のオファーがあったけれど、山内さんが選んだのは母校でのコーチという仕事だった。
自身の野球経験が、選手ごとに声の掛け方を変えたり、現在地を伝えたりといった今の引き出しになっている。
驚いたのは、中日に入団した頃はまだ大学を卒業していなかったという話。
実は、中日入団時、単位を残し、大学を卒業できていなかった山内コーチ。プロ入り後、大学は一旦休学していたが「せっかくお世話になったのに、このまま辞めるのも申し訳ない」と、中日入団5年目から2年間復学し、レポートなどを提出することで、10年かけて法学部を卒業している。「卒業できるチャンスがあるならしたいなと思った。でも、自分1人では無理でした。本当に色んな方に助けられました」。
プロ5、6年目というと、1軍で先発ローテの一角を担っていた時期だ。「野球もあるから授業にいけなくて、分からないことばかり。頭のいい福谷(浩司)や球団の方に教えてもらい、投げない日はナゴヤドームでも空き時間にレポートをやっていました」。だが、その努力があったからこそ、今の立場がある。「あの時卒業していなかったら、コーチの話もこなかったと思うし、(中退では)戻れなかった。卒業しておいてよかったです」と、プロで活躍する陰で、28歳まで学生をしていた当時を懐かしむ。
何に驚いたって、私と全く同じだったこと。
私も、単位を取り間違えていて大学を卒業できなかった。
就職先は決まっていたから、企業と大学の両方に相談して一度休学することを決めた。
大学に言われたのは、「大学は4年間まで休学することができる。4年以上その企業に勤め続けたなら、おそらくその後で最終学歴が問題になることはないから(今思うと、ここはちょっと疑わしいけど)その時点で退学すればいいだろう。それ以前に辞めることになったなら、帰ってきなさい」
結局、その時の会社は3年間で退社。次の年に無事大学を卒業することができた。
今、フリーランス翻訳者として仕事をするにあたって、あのとき大卒(しかも外国語学部という直結する学部)という最終学歴を捨てずにいて本当に良かったと思っている。
入社した時点では、一生とは言わないまでもある程度の年数働き続けるんだろうと思っていた。セカンドキャリアなんて考えてもみなかった。
会社を辞めて「生の自分」が社会に放り出されたとき、もし学歴がなかったらめちゃくちゃ苦労していただろう。
あのとき休学という選択肢を見せてくれた企業と大学には、感謝しかない。
スポーツ選手のセカンドキャリアは、ずっと社会問題になっている。
根幹にあるのは選択肢の少なさ。そもそもどんな選択肢があるのかさえ知らずに現役を引退する人も多いはず。
最近、プロ野球ではセカンドキャリア講習会が開かれているけど、とてもいい試みだよね(内容はよく知らないから改善点もあるかもしれないけど)。
山内さんにも、選択肢を残した方がいいというアドバイスをしてくれた人がいたんだと思う。
これからプロに入る人に対して、輝かしい未来にわくわくしている人に対して、きっととても勇気のいるアドバイスだっただろう。
でも、その選択のおかげで今の山内さんがある。
ちょうど昨日読み終わったこの本でも、日本とアメリカの大きな差として、セカンドキャリアへの取り組み方が挙げられている。
それは選手個人の努力では如何ともしがたくて、教育制度も含めた抜本的な構造改革が必要かもしれないけど。
今頑張っている現役の選手たちの不安を少しでも減らせるといいよね。
■読書ログ■
・和書118:『同時通訳者が「訳せなかった」英語フレーズ』松下佳世・編著、イカロス出版、紙の本
・和書122:『不合理だらけの日本スポーツ界』河田剛・著、ディスカヴァー・トゥエンティワン、電子書籍→読了
・和書123:『a big cheese は「大きなチーズ」ではありません』牧野高吉・著、ディスカヴァー・トゥエンティワン、電子書籍
■勉強ログ■
・和書51:7日目
・洋書4:70~97ページをオーディオブックで聴き直し&154~181ページの2巡目
・洋書7:課題範囲を読み込み
・NHKラジオ講座:18分
君にいいことがあるように 今日は赤いストローさしてあげる♪
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