いきなりですが、この本がとっても面白かったので紹介します!
現ソフトバンクホークス監督の工藤公康さんが解説者時代に書いた本で、様々な角度から野球の見方を示してくれています。
グラウンドで起こりうるプレーにはすべて理由があり、根拠がある。3割打てるバッターには3割打てるだけの理由があり、二けた勝てるピッチャーはそれだけの技術を持っている。ピッチャーがキャッチャーのサインにクビを振ることにも、何らかの意図がある。当然、優勝するチームには優勝するだけの理由がある。長いシーズンを戦うプロ野球において、「偶然」が入る要素は非常に少ない。
(中略)
野球中継で、よく耳にする言葉が「流れ」である。「流れが変わりましたね」「相手に流れがいきますね」など、当たり前のように「流れ」という表現を使う。
(中略)
本書では、「流れ」の正体についても紹介している。あえて「流れ」を使わずに野球を見てみると、バッテリーやバッターの心理の変化など、また違った一面が見えてくるのではないだろうか。
という「はじめに」から始まり、今までぼんやりとしかイメージしていなかったことを言葉で説明してくれているので、私程度の知識レベルの浅め野球ファンにはピッタリだと思います。
※私程度の知識レベル=守備位置やプレーの名称とかはわかるけど、自分でプレーしたことはなくて、なぜ今その守備位置なのかや、投球コースと「引っ張り」「流し打ち」の関係などは全然説明できない。なんなら縦の変化球と横の変化球を見分けられない。ひどいな。
本の内容を夫に話したら「えーっ、そうかなあ」と何度も言われたので、自分でプレーもするしプレーの意図もわかっているというレベルの人が読むと「違う」って思うところも多いのかもしれません。工藤さんも捉え方は人それぞれって書いてらっしゃるので、それでいいのでしょう。
ちなみに私は、「いい当たりが野手の正面をつく」とは、実際いい当たりがたまたま取られてしまった(アンラッキー)のか、バッテリーと守備陣の思惑通りだった(守備サイドが意図してその場所に打たせた)のかどっちなのかを知りたいと思って読み始めました。
その直接の答えは書かれていなかったけど、全体的な話からするとやっぱり後者なのかなあ。
もちろん野手のファインプレーというパターンもあるとは思うけど。まあこれについては、いろんな意見がありますよね。
へぇーっ!知らなかった。本当かなあと思って、昨日の試合でビシエド選手の守備位置を頑張ってチェックしてみたけど、よくわからなかった…。(夫は「高校野球じゃあるまいし、そんなことしてないでしょ」と言っていた。私には判断不可能です笑)
ランナー一塁のときにダブルプレーシフトにしないチームがあるですって!
ていうか、つまりソフトバンクは今そうしているんだろうか。
後ろで守っている外野手は後ろの打球に自信がない人…!
これ、バドミントンでもすごく言われるやつだ。
後ろの打球に追いつける自信がないから、最初から後ろ気味に守っているでしょ、だから前に落とされると取れないんだよって。
それが野球のポテンヒットなのかー!
ここ以外にも、ポジショニングから苦手な部分が見えるという話があちこちに出てくる。
インコースが苦手なバッターはバッターボックスの外側に構えているし、肩に自信がないセカンドは最初からセカンドベース寄りに守っている(逆シングルで取って一塁ベースに投げるのがきついから)らしい。ストレートが苦手なバッターはキャッチャー寄り(少しでもピッチャーから離れたところ)に立っていて、落ちるボールが苦手なバッターはピッチャーに近いところに立って落ち際を狙おうとするんだって。えーっ、そんなに。
プロなんだから苦手なんてないんじゃないのと思っていたけど、そんなわけはないんだね。
苦手な部分の落ち込み幅を小さくしつつ、その部分をフォローできるようにいろいろ工夫する。
べ、勉強になりました…!
(バドミントンやら翻訳やらが頭の中を回っております)
あとは投手交代などの采配の話とか、「バットをこねる」「ヘッドが下がる」などの野球用語の意味も書かれていましたよ。そんなの常識でしょ、という人には簡単すぎる本かもしれませんが。
■読書ログ■
・和書96:『野球のプレーに、「偶然」はない ~テレビ中継・球場での観戦を楽しむ29の視点~』工藤公康・著、カンゼン、電子書籍→読了
・和書97:『「受け流す心」をつくる3つのレッスン』植西聰・著、すぎやまえみこ・イラスト、造事務所・編集・構成、KADOKAWA、電子書籍
・翻訳28:『21 Lessons: 21世紀の人類のための21の思考』ユヴァル・ノア・ハラリ・著、柴田裕之・訳、河出書房新社、オーディオブック
・翻訳31:『カウントダウン 世界の水が消える時代へ』レスター・R・ブラウン・著、枝廣淳子・監訳、海象社、紙の本
・翻訳34:『心がヘトヘトなあなたのためのオックスフォード式マインドフルネス』ルビー・ワックス・著、上原裕美子・訳、双葉社、電子書籍
・洋書10:『Simon vs. the Homo Sapiens Agenda』Becky Albertalli ・著、Balzer + Bray、電子書籍
■勉強ログ■
・洋書7:訳してみる
・NHKラジオ講座:1時間6分
君にいいことがあるように 今日は赤いストローさしてあげる♪
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