色々話を書いて引き延ばそうと思っていたけれど、全然書けないまま詳細を忘れそうなので、ここでいっきにクライマックス行きます!
どーーーーん!
これぞ満天の星空。
【(ここまで)写真提供:アストロアカデミア様】
どこを見ても雲どころかガスすらない。見渡す限り、抜けるように透き通った空。そして星。天の川。流れ星!
そう、この日の流れ星はすごかった。大きいものや小さいものも合わせて、何十個も見てしまった。大きな流星群のない時期のはずなのに、何事かしら。
最初に外に出た時点では西の空に夏の大三角が見えていたのに、しばらくしたら東側を中心に冬の星座がにぎやか。秋にきちんと星を見に来るなんて初めてだったけれど、何とも贅沢な季節だったらしい。
カメラを持ってきて撮影に入る人、持参の望遠鏡で色々な星雲星団を入れて見せてくださる人、双眼鏡でも見える星雲を教えてくださる人、ととてもにぎやか。あまりにも天気が良すぎて、少しでいったん戻る予定だったのが誰も部屋に戻れない。あれもこれもしたい。何をしても幸せ。
なんだかおなか一杯になってしまって、少し皆さんから離れて1人で空を見上げてみた。柱に寄りかかって、しばらく空を眺める。
そういえば、今見ているのは過去の世界なんだよねと思い出した。数百年、数千年前に発された光が、長い時間をかけて今私の目に飛び込んでいる。今見ているのは、何千年も前の光、何千年も前の世界。
いや、それどころか、さっきは望遠鏡でアンドロメダ銀河だって見てしまった(というか肉眼でも見えます)。アンドロメダ銀河までの距離は239万年。つまり今見ている光は239万年前のもの。
そんな果てしない距離のアンドロメダ銀河は、天文学の世界では「お隣の銀河」。40億年もすれば私たちのいる天の川銀河とぶつかって合体するといわれている。それくらい近所の天体だ。……それくらいって何でしょうね。
天文の話には、普段見たこともないような大きさの数がごく日常的に出てくる。私は前後10日くらいのことでいつも悩まされているというのに、簡単に40億年。239万光年が近所という世界。
星を見ると、あまり目の前のことにむぎゅむぎゅしても仕方ないんだなと思う。天文の規模から見たら、私の一生なんて瞬き程の長さもないんだから。その一方で、瞬きの時間だからこそ、目いっぱい悩んで懸命に生きたいなあとも思うんだけど。
その結果出来上がったのが、「超絶くよくよしいな反面、相当楽観的」なくまぼぼという人間ということですね…。脱線。
ずっと夜空を見ていると自分が見ているのが上なのか下なのかわからなくなってくる。宇宙の中にぽっかりと浮かんでいる感覚。足元がふわふわしてこの世じゃないような気分になってくる。
すっかり自分の妄想の世界に入り込んでいたから、その音に気付いたのは一瞬後だった。携帯電話から鳴る、けたたましい音。
「地震速報だ!」
誰かが声を上げる。ようやく周りに意識を向けると、たしかに他の人の携帯電話からも同じ音が鳴り響いていた。
地震?
頭を整理する間もなく、足元がグラグラと動く。
そして、さらに下から突き上げられるような感覚。
そう、この日は長野県北部を震度5弱の地震が襲った日だった。
つづく
明日も幸せである様に♪
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