野球

2020年11月22日 (日)

下手だから

今日は自分が主催しているバドミントン。
親指は治っていないけれど、せめてできる動きだけでも。

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そしたら新しい怪我をこしらえましたよ。
なんで左指を痛めるんだって思うでしょ。私も思う。
ラケットで自分の指ごとぶん殴ったんですねー。
ばかですねー。ははははは。

…ぐすん。

わかっているのだ。どの怪我だって、原因は私が下手なこと。
ラケットの持ち方が間違っているから親指を痛めるのだし、プレー中に無駄に突っ込みすぎているから毎回足の爪が剥がれるのだし、体勢が整っていないのに無理矢理打つから左手ごとぶん殴るのである。
上達すればこんな怪我はなくなるはず。そしたら正しい場所(肩肘?)を怪我するだけかもしれないけど。
つくづく、スポーツって健康に悪いなあ。

ところで、日本シリーズがいたたまれなすぎて見ていられない。
いや私だって巨人ファンってわけじゃないし、ソフトバンクこそ好きなチームだからいいんだけど。
こんなフルボッコにされている人たちに置いてきぼりだった残り5チームを思うと泣けてくるから、もうちょっと頑張っていただきたい。せめて一矢報いてくれー。

■読書ログ■
・和書130:『あなたは間違っている』小川仁志・著、あさ出版、電子書籍
・和書131:『翻訳の授業 東京大学最終講義』山本史郎・著、Amazon(紙)、朝日新聞出版、紙の本
・洋書13:ビジネス書(おしごと)


明日も幸せである様に♪

2020年11月 7日 (土)

精密機械が泣いた日

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こんな秋晴れの日に、ドラゴンズの時代を築いた男がユニフォームを脱ぐ。

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(ここからNHKのテレビ映像でお届けします)

吉見一起投手。
負けない男。精密機械。そんな称賛が似合っていた。
強かったドラゴンズは、7回以降を投げるピッチャー陣と、キャッチャー・吉見投手・二遊間を結ぶセンターラインでできていた。

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岩瀬さんから花束を受け取ったときは笑顔だったけど、3人のお子さんが出てきた瞬間に表情が一気に崩れた吉見投手。

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どれだけの苦しい日々を過ごしてきたのか。

ピッチャーがどれだけ多くのことを考えているのかを教えてくれたのが吉見投手だった。エースとはどういう存在なのか、も。
彼を慕う人はとても多い。
この日はソフトバンクの千賀投手と石川投手もナゴヤドームに来ていたという。まだペナント中なのに、そんなことある?
スピーチでも、何人にお礼を言うのかと驚くくらいに、吉見投手の感謝の言葉は続いた。最後に感謝を伝えたのは「野球の神様」。
すべてがエースだった。本当に、エースだった。

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胴上げはできない代わりに、マウンド上で記念撮影。

私のブログにも、吉見投手がそこら中に出てくる。

2011年6月16日。岩瀬投手が287セーブを達成した日。

2011年11月6日。(ちょうど9年前!)クライマックスシリーズでの登板。

2011年11月20日。日本シリーズで敗れた日。

2012年3月14日。オープン戦。

2012年4月30日。吉見投手のナゴヤドーム連勝記録(17連勝)が止まった日。

2014年5月7日。2軍戦。手術後初登板。

2014年7月23日。1軍での復活登板。

だんだん苦しくなっていくのがブログの経過だけでもわかる。
この後吉見投手の名前が出てこないのは、私がブログ自体をさぼっていたからですね…。
浅尾投手引退の時にも書いたけど、これからドラゴンズがどういう姿になっても、吉見投手のことは忘れない。
エースと言えば、一番に思い浮かぶのは吉見投手。それはこれからも変わらない。
本当にお疲れ様でした。まずはゆっくり休んでくださいね。

■読書ログ■
・和書118:『同時通訳者が「訳せなかった」英語フレーズ』松下佳世・編著、イカロス出版、紙の本
・和書123:『a big cheese は「大きなチーズ」ではありません』牧野高吉・著、ディスカヴァー・トゥエンティワン、電子書籍


君にいいことがあるように 今日は赤いストローさしてあげる♪

2020年11月 6日 (金)

セカンドキャリア

ココログに「いいね」機能がついたそうです。
数字は容赦なく現実を突き付けてくるからなあ。
あまりに寂しくなってきたら無効化するかもしれません(メンタル弱)。

この間、広島東洋カープのドラフト1位栗林良吏選手を取り上げたときに、名城大学で山内壮馬さんがコーチを務めたという話を書いた。
その山内さんを取材した記事を昨日読んだ。知らないことばかりだった。

「地元TV局からオファーも…元中日ドラ1・山内壮馬が歩む大学指導者の道「やりがいがある」」(Full-Count)

現役の最終年(楽天)から引退後のことを考えていた山内さん。
中日からは打撃投手と広報、名古屋のテレビ局からも解説者のオファーがあったけれど、山内さんが選んだのは母校でのコーチという仕事だった。
自身の野球経験が、選手ごとに声の掛け方を変えたり、現在地を伝えたりといった今の引き出しになっている。

驚いたのは、中日に入団した頃はまだ大学を卒業していなかったという話。

実は、中日入団時、単位を残し、大学を卒業できていなかった山内コーチ。プロ入り後、大学は一旦休学していたが「せっかくお世話になったのに、このまま辞めるのも申し訳ない」と、中日入団5年目から2年間復学し、レポートなどを提出することで、10年かけて法学部を卒業している。「卒業できるチャンスがあるならしたいなと思った。でも、自分1人では無理でした。本当に色んな方に助けられました」。

プロ5、6年目というと、1軍で先発ローテの一角を担っていた時期だ。「野球もあるから授業にいけなくて、分からないことばかり。頭のいい福谷(浩司)や球団の方に教えてもらい、投げない日はナゴヤドームでも空き時間にレポートをやっていました」。だが、その努力があったからこそ、今の立場がある。「あの時卒業していなかったら、コーチの話もこなかったと思うし、(中退では)戻れなかった。卒業しておいてよかったです」と、プロで活躍する陰で、28歳まで学生をしていた当時を懐かしむ。


何に驚いたって、私と全く同じだったこと。
私も、単位を取り間違えていて大学を卒業できなかった。
就職先は決まっていたから、企業と大学の両方に相談して一度休学することを決めた。
大学に言われたのは、「大学は4年間まで休学することができる。4年以上その企業に勤め続けたなら、おそらくその後で最終学歴が問題になることはないから(今思うと、ここはちょっと疑わしいけど)その時点で退学すればいいだろう。それ以前に辞めることになったなら、帰ってきなさい」
結局、その時の会社は3年間で退社。次の年に無事大学を卒業することができた。

今、フリーランス翻訳者として仕事をするにあたって、あのとき大卒(しかも外国語学部という直結する学部)という最終学歴を捨てずにいて本当に良かったと思っている。
入社した時点では、一生とは言わないまでもある程度の年数働き続けるんだろうと思っていた。セカンドキャリアなんて考えてもみなかった。
会社を辞めて「生の自分」が社会に放り出されたとき、もし学歴がなかったらめちゃくちゃ苦労していただろう。
あのとき休学という選択肢を見せてくれた企業と大学には、感謝しかない。

スポーツ選手のセカンドキャリアは、ずっと社会問題になっている。
根幹にあるのは選択肢の少なさ。そもそもどんな選択肢があるのかさえ知らずに現役を引退する人も多いはず。
最近、プロ野球ではセカンドキャリア講習会が開かれているけど、とてもいい試みだよね(内容はよく知らないから改善点もあるかもしれないけど)。
山内さんにも、選択肢を残した方がいいというアドバイスをしてくれた人がいたんだと思う。
これからプロに入る人に対して、輝かしい未来にわくわくしている人に対して、きっととても勇気のいるアドバイスだっただろう。
でも、その選択のおかげで今の山内さんがある。

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ちょうど昨日読み終わったこの本でも、日本とアメリカの大きな差として、セカンドキャリアへの取り組み方が挙げられている。
それは選手個人の努力では如何ともしがたくて、教育制度も含めた抜本的な構造改革が必要かもしれないけど。
今頑張っている現役の選手たちの不安を少しでも減らせるといいよね。

■読書ログ■
・和書118:『同時通訳者が「訳せなかった」英語フレーズ』松下佳世・編著、イカロス出版、紙の本
・和書122:『不合理だらけの日本スポーツ界』河田剛・著、ディスカヴァー・トゥエンティワン、電子書籍→読了
・和書123:『a big cheese は「大きなチーズ」ではありません』牧野高吉・著、ディスカヴァー・トゥエンティワン、電子書籍

■勉強ログ■
・和書51:7日目
・洋書4:70~97ページをオーディオブックで聴き直し&154~181ページの2巡目
・洋書7:課題範囲を読み込み
・NHKラジオ講座:18分


君にいいことがあるように 今日は赤いストローさしてあげる♪

2020年10月28日 (水)

魅力に再会

今朝、突然Gmailのファビコンが変わってびっくりしている。
あれ、前からだったっけ。

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前に読んで感動した工藤公康さんの『野球のプレーに、「偶然」はない』、続編があったので読んでみた。
前著はプロ野球のプレー全体に関する話だったけど、今回はピッチャー(というかバッテリー)の話に特化している。
今回も面白かった!
各球種をどういう意図で投げているのか。場面に応じてどういう攻め方をしているのか。同じ打者と何十回何百回対戦する中で、どういう騙し合いをしているのか。
もちろん工藤さんの考えだけど、観戦しながら何となくモヤモヤしていた部分がすっきりした気がする。

工藤さんが若き城島さんを育てるために、あえてサイン通りに投げてホームランを打たれる(後でフォローもする)こともあったという話にはうなってしまった。
それって自分の防御率が下がったり下手したら負け投手になったりしちゃうんでしょ。自分の成績のことだけ考えていたら絶対にできないよね。
キャッチャーを育てることが常勝チームには欠かせない。いつも自分とバッテリーを組めるわけじゃないから、自分で考えられるようにならなければ意味がない。それがベテランの役割なんだ、と言い切れるのってすごいなあ。

高校野球(のトーナメント大会)の魅力は一発勝負であること。プロは年間100試合以上あるから、一発勝負に比べるとヒリヒリした緊張感に欠ける――なんて言われることもあるけれど。
年間100試合以上を戦う生活を10年前後(現役年数の平均)続けるからこその魅力もやっぱりあるんだなあ。

ソフトバンク、3年ぶり(っていう感じが全然しないけど)の優勝おめでとうございます!

■読書ログ■
・和書110:『英単語のあぶない常識―翻訳名人は訳語をこう決める』山岡洋一・著、筑摩書房、紙の本→読了
・和書116:『ピッチャー視点で“観戦力"を高める 工藤公康のピッチングノート』工藤公康・著、カンゼン 、電子書籍→読了
・和書117:『子どもに聞かれてきちんと答えられる 池上彰のいつものニュースがすごくよくわかる本』池上彰・著、KADOKAWA、電子書籍
・和書118:『同時通訳者が「訳せなかった」英語フレーズ』松下佳世・編著、イカロス出版、紙の本
・洋書12:社会学(おしごと)

■勉強ログ■
・NHKラジオ講座:1時間58分


君にいいことがあるように 今日は赤いストローさしてあげる♪

2020年10月27日 (火)

感動話

昨日はドラフト会議でしたね。
全球団の指名選手を一度頭に入れてから、過去数年分の甲子園ダイジェスト映像(5分くらいのやつ)を見返して「あ、この子だ!」と盛り上がるのが、我が家のブームです。
大卒や社会人の選手の出身高校を見て「この子見覚えある…!」と記憶力大会になるのも楽しい。

阪神・5位の村上頌樹投手(東洋大)は智弁学園出身、2016年のセンバツの優勝投手になりましたね。
広島・1位の栗林良吏投手(トヨタ自動車)は今私が住んでいる愛知県弥富市の黎明高校出身で、大学(名城大)では元ドラゴンズの山内壮馬さんのコーチを受けて才能が開花した、と東海地方では2年前のドラフトでも話題だった投手。ついに、しかも1位指名ですって。おばちゃん泣けちゃう。森下投手に続けー!
横浜・1位の入江大生投手(明治大)は作新学院。2016年夏に今井達也投手とともに優勝メンバーになっています(4番ファースト)。
ロッテ・1位の鈴木昭汰投手(法政大)は常総学院。2016年夏はベスト8に進みました。
そして楽天・1位の早川隆久投手(早稲田大)は木更津総合のエース。かっこよかったよねー!この年(2016年夏)は木更津総合を応援していたので、強気なピッチングで打たれても「フン」みたいな顔をしていたのが頼もしすぎて記憶にしっかり残っています。

もっと高校時代にも注目されていた選手はたくさんいるんだろうけど、私のレベルではこれが限界。いや、十分気持ち悪いか…?

高校生で注目されてから、プロか進学(社会人)か悩んで、そのあとも伸び悩んだり怪我したり、きっといろんなことがあったんだろう。
ドラフトで指名を受けるって、野球少年の夢としてとりあえずの最高峰なんじゃないかしら。
積み重ねてきた努力を心から祝福します。そして、さらに高いところへ行けるよう陰ながら応援しています!

そういう経緯で十分感動しているから、その後の感動番組はもうお腹いっぱいです。
一応見ちゃうし、結局その選手を応援しちゃったりもするから、こんな番組いらないとまでは言わないけど。
野球自体の話は聞きたいけど、プライベートな話は知らないままでもいいかなあ。
あと、「お母さんありがとう」という題字はどうかと思うけど。(めっちゃ不満言うじゃん)

■読書ログ■
・和書116:『ピッチャー視点で“観戦力"を高める 工藤公康のピッチングノート』、工藤公康・著、カンゼン 、電子書籍
・洋書12:社会学(おしごと)

■勉強ログ■
・NHKラジオ講座:1時間16分


君にいいことがあるように 今日は赤いストローさしてあげる♪

2020年10月22日 (木)

心の支え

ちょー綱渡り中。
バドミントン練習も行かず、ちょいビハインドペースであれこれ取り回しております。
本当にビハインドは「ちょい」レベルなのか…?

今の心の支えは、何が起きたのレベルでいきなりドラゴンズが強すぎること。
借金9から貯金7って、今になってそういうことができるならどうして最初からやってくれなかったの、とも思うけど、そういうところも心の支えになる。
最終的に帳尻が合えばいいんだ、私も!(ほんと?)

マジックが点灯すると、このチームが優勝するには、自チームが何勝して相手チームが何勝すればいいみたいな表が新聞に載るじゃないですか(こういうやつ)。
私これを見るのが大好きで、ないなら自分で計算したりしている。
なのに、ついさっきまで巨人のマジック対象チームが阪神だと思い込んでいた。
「絶対にドラゴンズはマジック対象にならないんだよ。だってもう直接対決がないから!」と夫に力説しながら、「いや、それおかしくないか…?」と急によぎって、計算したらいつの間にかドラゴンズがマジック対象チームになっていてめちゃくちゃびっくりした。
どうやら、なぜか自力優勝と優勝可能性がごっちゃになっていたらしい。直接対決があってその試合数がゲーム差より多ければ、もちろん自力優勝の可能性は残る。直接対決がないということは自力優勝の可能性はゼロなんだけど、でも優勝する可能性はまだ残っている。それはわかっていたのに、マジックのところだけ混ざっていたのだった。
念押し。1位以外の全チームに自力優勝の可能性がなくなったときにマジックナンバーが点灯する。そして、残り試合で1位チームが全敗しようが他のチームが全勝しようが逆転不可能になった瞬間がM0。それまでは、自力優勝の可能性はなくても優勝の可能性は残るのである。
まあ、いくらドラゴンズファンでもここから逆転するなんて全く思っていないけど、1日でも粘れたらいいよね。
直接対決がないということは、目の前で胴上げを見せられることだけは絶対にないのだから。
(ていうか、今年胴上げするんだろうか。密は避ける?)

私も粘るーーー。

■読書ログ■
・和書110:『英単語のあぶない常識―翻訳名人は訳語をこう決める』山岡洋一・著、筑摩書房、紙の本
・和書113:『野村の流儀』野村克也・著、ぴあ、電子書籍→読了
・和書114:『[カラー改訂版]頭がよくなる「図解思考」の技術』永田豊志・著、KADOKAWA、電子書籍

■勉強ログ■
・NHKラジオ講座:20分


明日も幸せである様に♪

2020年10月10日 (土)

影の輝き(『あと一歩!逃し続けた甲子園 47都道府県の悲願校・涙の物語』の感想文)

頭おかしいんじゃないの、と言っていた1カ月半で53冊読破チャレンジ(いや、そんなチャレンジはしない。しちゃだめ)、ここ数日は1日1冊というオンペースで読み進んでいる。
焦って読み飛ばしているわけじゃなくて、あまりに面白くて気付いたら読了しているということなんだけど。
そんな中、この人なら絶対好きだろうと取っておいた本が、期待にたがわない面白さだった。

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『あと一歩!逃し続けた甲子園 47都道府県の悲願校・涙の物語』田澤健一郎・著。

「悲願校」というのは著者の造語。

かんたんに説明すれば、高校野球の世界で「甲子園出場の一歩手前で何度も敗退」、「秋春は強いのに甲子園がかかる夏になると弱い」「都道府県内では実績のある高校なのに、なぜか甲子園と縁がない」といった甲子園未出場校のこと。つまり「甲子園出場が悲願」となっている高校を「悲願校」と名付けたのだ。
(中略)
勝者は讃えるべき存在であり、たくさんの物語があるのはたしかだ。だが、同じように敗者にもたくさんの物語があるのがスポーツの世界。その意味で、「悲願校」にもたくさんのエピソードがある。


もうこの前書きを読んだだけで、ハンカチを準備したくなった。
スポットライトを浴びる人がいる一方で、その影に隠れた人にもたくさんのドラマがある。もともとそういう話が大好きなんだけど、その題材が高校野球というだけで、もうつまらない要素はゼロだよね。

本書では、様々な観点から選出された悲願校が次々に紹介されていく。
私くらいの新米甲子園ファンじゃ名前も知らない学校がほとんどだけど、物語に引き込まれてつい「近々悲願がかなってほしいねえ」と一緒に願ってしまう。

時々差し込まれる元・悲願校の話も感動的で、中でも涙したのは八戸学院光星のエピソード。
今は言わずと知れた強豪校だけど、実は1997年のセンバツが初出場。それまでは長らく悲願校だった。

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当時光星学院だった八戸学院光星は、1994年から1996年まで3年連続で決勝で惜敗して甲子園出場を逃している。
それだけでも悲願かなわぬ辛さがあるけど、特筆すべきはその3試合に先発したのがすべて同一人物だったということ。
つまり、甲子園出場のかかった地区大会決勝戦で入学間もない1年生が先発して、その投手が2年生でも3年生でもエースとして投げたのに、ついに悲願がかなわなかったのだ。
しかも何が悲しいって、その翌年の春(つまりこの学年が引退した直後の秋の成績によって)、光星学院は初の甲子園出場を決めちゃうのである。いや、悲しいと言っちゃいけないんだろうけど。
その投手とは、洗平竜也さん。その後大学進学を経て、なんとドラゴンズにも入団していました。逆指名2位なのに全然名前に見覚えがない…。

このエピソードは、筆者が悲願校を追い続けることになったきっかけでもあるのだという。
後年、筆者は洗平さんに当時のことをインタビューしている。
実は彼が先発した決勝戦のうち、3年時の試合だけ洗平さんは途中降板した。4点リードを追いつかれて、8回裏の先頭打者に死球を与えたときに、自ら監督に降板の意思を伝えたという。その時の気持ちを洗平さんはこう語った。

「ボール自体は衰えていなかったんですが、『オレじゃ勝てないのかな』って思ってしまったんです。前と違って他の投手も育ってきていたし、自分一人じゃないと思うようになったというか……。たぶん、チーム全体のことを考えたから降りたんです。2年生までだったら、きっと降りていなかった。でも、逆に、下級生の頃のように無我夢中で投げていれば、負けずに済んだ気もします。なんというか、3年生のときは余計なことを考えすぎたんですよ。正直、また自分のせいで負けるのがイヤだという気持ちもありましたから……」


悲願校の思いを一身に背負うと、夢に向かうマウンドでこんな気持ちになってしまうのか。
きっと最初はただ楽しくて始めたんだろうに。
甲子園のマウンドに立たせてあげたかったなあ。立っていたらこんなドラマも知らないままだったんだけど。
これからはもう、八戸学院光星を甲子園で見るたびに、俄然応援してしまいそうである。

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49地区の「ベスト・オブ・悲願校」。ベスト以外にも地区ごとに数校ずつ紹介されているから、すごい分量である。
甲子園に出たことが1回もなくてしかも長年惜しい戦いはしているという縛りで、そんなにたくさんあるものなんだねえ。

でも、悲願校はいつか悲願校ではなくなる、ところもある。
前述の八戸学院光星だって元悲願校だし、ほかにも大曲工(秋田・初出場は2015年春(※以下、カッコ内の年は同じ意味))、羽黒(山形・2003年夏)、利府(宮城・2009年春。ちなみに夫の草野球の元チームメートのお父さまは、利府の初代監督を長年務めた人。近いのか遠いのかよくわからないな)、前橋育英(群馬・2011年春)、豊川(愛知・2014年春)、滋賀学園(滋賀・2009年夏)、奈良大付(奈良・2015年春)、履正社(大阪・1997年夏)、明石商(兵庫・2016年春)、松山聖陵(愛媛・2016年夏)、沖学園(福岡・2018年夏)などなど、苦しい期間を経て甲子園出場を果たした高校も多いし、中にはすっかり常連校になっている高校もある。
この本は2019年の春に書かれたから、そのあと開催された甲子園は2019年の夏と2020年の春(が延期された交流大会)の2回だけなんだけど、その短い間にめでたく悲願校リストから卒業した高校がある。

  • 誉(愛知・2019年夏)
  • 加藤学園(静岡・2020年春)


来年以降、「初出場」と書かれた高校があったら注目してしまうんだろうな。
影にいるときだって輝きは嘘じゃなかったけれど、「聖地」に立って光を浴びることができる日を今から楽しみにしたい。
何よりまずは、来年のセンバツが開催できますように。

■読書ログ■
・和書107:『あと一歩!逃し続けた甲子園 47都道府県の悲願校・涙の物語』田澤健一郎・著、KADOKAWA、電子書籍→読了
・和書108:『眠れぬ夜の恐ろしい話』桐生操・著、KADOKAWA、電子書籍

■勉強ログ■
・NHKラジオ講座:1時間4分


君にいいことがあるように 今日は赤いストローさしてあげる♪